留学生にとって常について回るビザの問題。自分もあまり詳しくないのですが、ざっくりと説明していきたいと思います。
ちなみにオーストラリアの法律(特にビザ関係)は本当によく変わるので、最新情報は留学エージェントに問い合わせるか、自分でオーストラリア政府のHPでチェックしてください。
ビザについて
海外旅行をする人だったら良く知っていると思いますが、基本的には誰でも自由に国の行き来ができる、というわけではありません。その国に入るには査証(ビザ)という許可証が必要です。
日本は世界で信頼されているので、多くの国では、空港でパスポートを見せただけで「日本人なら入っていいよ」とポンとハンコを押され入国を許可されることになります。これが「ビザ無しで行ける」という意味です。この場合、このハンコがビザになります。
オーストラリアの場合は、観光目的であっても事前にオーストラリア政府に申請してオンラインで観光ビザを発行してもらうことになります。この場合は、オーストラリアの空港でパスポートを見せたときに、職員がデータベースにアクセスして「この人はちゃんとビザの申請しているのか?」と確認することになると思います。職員じゃないので分かりませんが、入国審査はなんとなくそんな雰囲気です。
ビザが無いとその国に入れないのと、ビザには有効期限が設定されていて、期限を過ぎてその国に滞在すると「不法滞在」となり、強制退去・次回以降のビザの発行が困難になるなどの措置が取られます。
ビザの種類(オーストラリアの場合)
オーストラリアの場合、ビザの区分が多すぎて移民弁護士でないと詳細まで把握することは不可能です。ここでは、大体の人が何となく知識として共有している、ざっくりとした認識で紹介します。
- 観光ビザ(有効期限3か月、就労不可)
- ワーキングホリデービザ(30代では取得不可能、有効期限1年)
- 学生ビザ(学校の入学許可証が必要、学校の期間中有効、時間の制約付きで就労可)
- 就労ビザ(企業の「この人じゃないとダメです」的な証明が必要、転職不可)
- 永住ビザ(後述)
観光ビザ
先ほど説明したように、観光目的のビザです。最大約3か月滞在することができます。就労は禁止されています。申請自体は簡単で、オンラインでできますし、申請代行業者に頼むこともできます。
ちなみに政府の公式HPから申請するより、代行業者に頼む方がちょっとだけ安くなったりします。これは、申請自体はタダなんだけど、政府が公式に採用しているオンライン申請システムを管理する業者が手数料を取っていて、政府非公式の業者に頼むと手数料も違う、ということになります。それでもちゃんと申請はできます。
ワーキングホリデービザ
31歳以上の人は年齢制限に引っかかるのでこれは取れません。一応聞いた話では
- 語学学校に通うことはできるけど、期間に制限がある
- 働かないといけない
- 特定の産業(多くは農業)に何ヶ月か従事してそのことを証明できれば、有効期限が1年または2年追加される(通称セカンド・サードビザ)
語学学校の中には数か月英語を学んでから働くという人も結構いました。30歳ちょうどの人も申請はできるそうです。
学生ビザ
留学目的ならこれです。取得の大まかな流れとしては(語学)学校に入学手続き→費用振り込み→入学許可証取得→学生ビザの申請→審査→受理となります。
学生ビザの申請が入学許可発行後でないとできないので、「学校にお金も振り込んだのに審査によっては後から政府から拒否されるかもしれないの!?」と思うかもしれません。
これは勝手な想像ですが、学生としてオーストラリアに入国する場合、基本的にはオーストラリアにお金を落とすことになるので、経済面では歓迎です。ただし、学校卒業後不法滞在されると困るので、ちゃんと「純粋な目的で、数か月から数年程度の短期の滞在である」ということを確認するために審査しているんだと思います。
実際、学生ビザ申請には自分のプロフィールと同時にGTE(Genuine Temporary Entrant)という英文のレターを提出しなければならず、なぜオーストラリアなのか、なぜその学校を選んだのか、勉強してから母国でどうするつもりか、などをきっちり書かないといけません。全部英語で。
ここが一番留学エージェントに頼りたい部分です。書くのは自分ですが、書いたものを見てもらって足りない部分を指摘してもらうようにすれば、審査に通過しやすくなると思います。
自分の場合はエージェントのアドバイスに従って書いて出したら数日で学生ビザが発行されましたが、場合によっては数か月かかることもあるそうです。
GTEの書き方は各自で調べてください。30代で留学を決意した人なら色々考えての決断ですから、書く内容に困ることは無いと思います。ただ、何を重点的にアピールするのかは書き方をきちんと参考にしましょう。
申請料は620AUDだそうです。自分の時、そんなしたかな?値上がりしたのかな?
ちなみに学生ビザの場合
- 学校の出席率が80%を切ると、政府に報告され、最悪の場合ビザ取消
- 就労は2週間で40時間以内なら可能
という制限が付きます。
就労ビザ
これは現地企業にスポンサーとなってもらうことで申請ができるビザで、特殊な事情が無い限りこれを目指すのは難しいと思います。
よく聞いた話では、4年制大学に留学した人が卒業後に大学卒業ビザ(2年間有効)を取得して就職活動をし、雇われた企業に「お前はわが社に必要だ」と認められてようやく辿り着くというものでした。
スポンサーになる企業側にもいろいろ条件が付くみたいなので、そう簡単に頼めるものでもないみたいです。よく分かりませんが。
「その会社に必要なのでビザを発給する」というスタイルなので、その会社を辞めてしまえばビザの効力は失われます。
永住ビザ
これは特に複雑な条件で、とにかく訳が分かりません。ただ、もしあなたが30代で、大学または大学院を出ており、独身で、英語力(IELTSなら全セクション6.0以上)があり、オーストラリアが募集する特定の業種に8年以上在籍していれば、永住ビザが発給されるかもしれません。
正確に言えば永住というか、有効期限5年の技術独立ビザというやつなんですが、3年住めば永住ビザの申請ができるみたいなので、これが取れたら実質永住権ゲットですね。
30代だったらひょっとしたら満たせる基準ではないかと思うんですが、この「オーストラリアが募集する特定の業種」である必要があるので、これに入っていなかったら無理です。どんな業種が募集されているのかは結構多岐に渡るので気になる人は調べてください。
まとめ
永住ビザを持っていればほとんどビザのことを気にせずオーストラリアで生活することができます。逆に言えば、永住ビザ以外でオーストラリアに入国した人は常にビザのことを気にして生活する必要があります。ビザの効力が切れれば不法滞在、つまり犯罪です。
30代からの留学なら、3ヶ月以内の短期でない限りは学生ビザになります。バイト程度の就労しかできないので、生活資金は(留学から帰ってきて暫くのことも考えて)しっかり用意しておく必要があります。
また、ビザの有効期限や学校の出席率など、ビザの要件はしっかり把握し、ビザ取消にならないように注意を払いながら生活する必要があります。